色々なその先を予測しています。今のところ ロトの予測 と 素人小説 が記事の中心になっています。 come on the scene Mar.2007

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 脳に住民識別のためのチップ(超小型集積回路)を埋め込まなければ、政府の援助は一切受けられなくするのだという……

 まるで出荷予定番号のタグを取り付けられた家畜と一緒だ。管理する側の連中は言う。「公平に、漏れなくサービスを提供するためなのです」

「パパ、何でうちはチップを埋め込まないの?」 今年で8歳になる息子のバルが言った。

 円らな瞳で世間との違いに疑問を抱く息子、その小さな頭を撫でながら、ジャンは答えた。

「今のバルには難しい話かも知れないが…埋め込むチップには、微弱な電流を流して記憶を操る装置が組み込まれているという噂があるからだ」

「本当なの?」 

「パパが三年間取材を続けて掴んだ情報だから、間違いない」

「でも僕の学年でチップを埋め込んでいないのは…僕も入れて十人だけだよ」

「バルは脳ミソにチップを埋め込みたいのか?」

「そうじゃないけど…何だか最近、僕ら十人が置いてきぼりにされてるような感じがする」


 それから五年後……

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 バルの不安から五年後…チップを埋め込まない仲間は、バルも含めて三人だけになっていた。彼は仲間を集めては、父親の口癖を言い聞かせた。

「脳に埋め込んだチップには、微弱な電流を流して記憶を操る装置が組み込まれているんだ」

「僕もバルの言うとおりだと思う…僕ら三人以外は、みんな中央政府のニュースどおりに動いているんだからね。疑問を投げ掛けたとたんに、野蛮人扱いさ」


 中央政府の報道官談話に敏感に反応するチップ・ピープルは、チップ埋め込みを拒否した住民達を、 「貧しい精神生活に戻ろうとする野蛮人」 と口を揃えて言った。皆同じ冷淡な表情を浮かべ、まるで絶滅危惧種の動物を憐れんでいるかのような眼差しで。

 ジャンのジャーナリズム活動は一向に成果を見せず、ジャンの記事は異常者の戯言で片付けられようとしていた。彼は、チップ埋め込みに反対する仲間達の家族を気に掛け、自問自答の日々を送っていた。

「あと、もう五年もすれば…もはや俺達は町を捨て、山に入って生きるしかない。しかし俺達が自然の森の中に生活の場を求めれば…中央政府は木々の一本一本までをも管理しようとするかもしれない…自然保護の名の下に。
 
 自然、自由、民主主義…チップ・ピープルは、自分達がそれらを守っているのだと思い込んでいる。だが一体誰のために?

 機械…機械だ。計画どおりに管理しようとする人間が、コンピューターネットワークを利用していたつもりで…逆に管理され始めているとしたら?

 だったら答えは簡単だ。機械を破壊すればいい。だが…それ以上の何か…大きな力が影で人間と機械を一体化させるように仕向けているような気がする」


 ジャンの疑問は一向に解けなかった。それと反比例するかのように、チップ・ピープルは疑問を解き放って行った。落ち着き払い、穏やかな表情で彼らは言う。 「公平に、漏れなくサービスを受けられる、理想社会が間もなくやって来る。私たちは皆、ネットワークで繋がっている。だから同じになれる」

「もし…それ以上の何か大きな力が、人間を創造した神だと仮定して…結局神は、人間を神にさせないために、疑問や創造を奪い取り、機械でイメージ支配して徹底管理する道を選んだのだろうか?

 かつては獣を狩る際に祈りを奉げていた人間達…しかしそれは遠い昔の話。自然の摂理、生命の尊厳を粗末に扱うようになった人間には世界を管理する資格がなく、管理される対象でしかないと考えての事なのか?

 牛や豚や鶏…家畜に与えて来た仕打ちが、人間に返って来るのかも知れない」



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